丹波栗のケーキTanba Chestnut Cake

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丹波栗のケーキ足立音衛門


※本商品は撮影時からパッケージが変更されています。現在のパッケージはこちらをご覧下さい。

スイーツ好きであれば、一本で一万円を越す栗のパウンドケーキの存在をご存じだろう。「栗のテリーヌ『天』」と名づけられたそのケーキは、650gの重量のうち、なんと栗が400gを占めるという、まさに規格外のケーキ。だからこの「天」はパウンドケーキではなく「栗のテリーヌ」と銘打って販売されている。そんな、栗を使ったスイーツの頂点ともいえる「天」を筆頭に、品質の高い洋菓子を世に問うているのが、オーナーの名前を冠した「足立音衛門」だ。

「天」に使われるのは、選りすぐった丹波栗を主体に、ヨーロッパの栗も形のよいものを選りぬいたもの。パウンドケーキ部分も、北海道産のきたほなみ小麦にフランス産の高級バターを惜しみなくたっぷり使い、スッキリした甘さが魅力の和三盆を使用して焼き上げている。

いくら栗や素材が贅沢なものだといっても、そんな高価な洋菓子が売れるのか。多くの人がそう思い、他ならぬ店主の足立音衛門さんまでもが「店頭では売れないだろう。」と思ったそうだ。しかしそんな予想に反して「天」は大きな反響を呼び、全国から注文が相次ぐこととなった。「天」のパッケージには、商品が世に出てからの本数がナンバリングされているのだが、その数字は既に10万を超えている。真の意味で品質が高く味わいのよいものであれば、それを理解してくれるお客が着くということを、足立さんが証明したと言えるだろう。

もともと足立さんは、福知山市の和久市地域にフランス料理店を営んでいた。そのデザートとして出していたケーキが「おいしい!」と評判になり、だんだんとケーキを販売することを主軸にした店舗に変わっていったという。もともと足立さんは栗が大好きだったそうだが、なぜこのような商品を造ったのか。

「栗のケーキをいろんなところで食べて来ましたが、『ちゃんと栗が入ったケーキ』といえる商品がどこにもなかったんです。それならば、どこを切ってもしっかり栗が入っているケーキを自分で作ろうと思ったのが発端です。」(足立音衛門さん)

なお、砂糖の中でも最上級とされる和三盆糖を、焼き菓子で使用した店こそ、足立音衛門なのだそうだ。

じつは、エエもん審査員の一人である、東京は新橋のフレンチレストラン「ラ・フィネス」のオーナーシェフである杉本敬三さんは、福知山での高校時代に足立さんのもとでアルバイトに勤しんでいたという。

「音衛門シェフの下で働かせていただいた三年間は、僕の青春時代の大切な一ページです。すばらしいと思ったことは、最高級の食材をふんだんに使って、真面目に丁寧に仕事をすることです。それは当たり前のことなのではないか、と思う方もいるかもしれませんが、それは誰にでも簡単にできることではありません。現在の私の『ラ・フィネス』も同じ考えで営んでいます。」(杉本敬三シェフ)

そんな足立音衛門の本店は、福知山の城下町に大正時代から建つ、京都府指定文化財「旧松村家住宅」にある。

その重厚にして洒脱な建物の引き戸をくぐると、静謐な空気の流れる店内には栗を用いた洋菓子がずらりと並ぶ。福知山駅からは少し距離のあるこの店に多くの人が訪れ、看板商品であるパウンドケーキや栗のシュークリーム「集栗夢」を買っていく。

この足立音衛門が、福知山市の「エエもん」に出品してくれた製品こそ「丹波栗のケーキ」である。

そういうと、「それなら『天』を認定すればよいのではないか」という声が挙がるかもしれない。なるほど「天」は栗菓子の最高レベルと言ってよいものであるが、丹波栗以外の栗も素材に使っている。ならば、堂々と福知山の「エエもん」として訴求できるものをと、取り組んでいただいたのだろう。審査員一同は足立音衛門からの出品をそう受け取った。

「丹波栗のケーキ」はごらんの通り、丹波栗だけがしっかり詰まったパウンドケーキだ。

「この「丹波栗のケーキ」にも、一本450gにつき、渋皮煮にした丹波栗を200g使用しております。どこを切っても必ず丹波産の栗が顔を出す。そのように配慮して作ったケーキです。」(足立音衛門店長 田原康暁さん)

言うまでもないことだが、丹波栗は国内のブランド和栗の中でもトップクラスの高級品だ。それをしかも、手のかかる渋皮煮にして使用するのは、贅沢の極と言えるだろう。

もちろん、特筆すべきは丹波栗だけではない。パウンドケーキそのもののおいしさ、栗の風味との親和性もすばらしいのだ。

「ケーキ部分の素材も、『天』と配合は異なりますが、発酵バター、和三盆をはじめとする厳選された素材を使用しています。」

もしこのケーキから栗が抜かれて、ただのパウンドケーキ商品となったとしても、実に魅力的と思える味わいだ。しかし、やはり丹波栗と合わさることで、そのおいしさは相乗効果で引き立て合う。

ケーキをザクリとカットして口に運ぶと、卵のふくよかな風味に洋酒の香りが上品に漂い、ふんわりとパウンド部が口溶けする。そして丹波栗の渋皮煮のねっとりとした食感が感じられ、舌に和栗特有の香りとコクのある甘みが到達する。丹波栗の渋皮煮のおいしさだけでもない、そしてケーキだけでもない、双方が合わさることで生まれる上質さがそこにあるのだ。

若き日を足立さんのもとで修業した杉本シェフは、「丹波栗のケーキ」をこう評する。

「まさにこれは『丹波栗を主役にしたケーキ』といえるもの。丹波の素晴らしい栗の渋皮煮を贅沢に使い、ケーキの生地には高品質なバターなど、選りすぐった食材を使っています。これは、誰が食べても幸せになれるものだと感じました。」

今回、特別に足立音衛門の製造拠点を視察させていただくことができた。里山ファクトリーと名づけられた施設は、福知山市で閉校となった元小学校である。

「私たちのモットーは、お母さんがお子さんにお菓子作りをするのと同じように素材に向き合い、安心でき安全なものづくりをすることです。この施設で、製造ラインを観ていただくことができるようにしております。」

どこか懐かしい雰囲気の工場に入ると、そこは一変して心地よい緊張感のある、清潔なスペースだった。

工場というと、機械が主役となるラインで、人は流れ作業で淡々と仕事をしているという光景が思い浮かぶかもしれない。しかし、里山ファクトリーではそうしたことはない。

ピンと張り詰めた空気の中で、一人一人が素材を処理し、壁面を埋め尽くすような大型のオーブンでケーキを焼いている。そう、安価に大量生産される洋菓子とはまったく違う、パティシエ達が最後まで手を入れながらケーキを焼いていく工房なのである。

工房に併設されたイートインカフェでは、地元のお客や市外から車で来たお客達が思い思いに栗菓子を楽しんでいた。

あなたがまだ足立音衛門の栗のケーキを食べたことがないならば、このために福知山に来ていただく価値があると言ってよいかもしれない。そして、すでに同店のケーキを食べたことがあったとしても、福知山に来て「丹波栗のケーキ」を買い求めていただく価値が、十分にあるということをお伝えしたい。

※現在の「丹波栗のケーキ」のパッケージはこちらとなります。

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